2023/05/12
借地借家法ってどんな法律?
◆借地借家法とは?
借地借家法とは、「しゃくちしゃっかほう」と読み、その名のとおり、土地や建物を貸し借りする際のルールについて定めた法律のことです。
本来、土地や建物を貸し借りする際は六法のひとつである民法のルールに則って進めて行くのが原則ではありますが、民法は土地や建物だけに限らず、あらゆる取引や契約に関するルールを定めたものであり、民法だけではフォローしきれない部分を借地借家法で定めるという仕組みとなっています。
これを民法の「特別法」というのですが、借地借家法のほかにも様々な法律が定められており、民法をフォローしています。
今回は借地借家法についてお話していきたいと思います。
◆借地借家法は借主を保護する側面もある
借地借家法は 土地や建物の貸し借りに関するルールを定めていると申し上げましたが、貸主と借主であれば当然、家を貸す立場である貸主の立場が強くなり、それに比べて借主は弱者となってしまいがちです。
民法どおりにどんな契約でも認めてしまうと、強者である貸主が弱者となりがちな借主に対して不利な契約を押し付けてしまうこともあり得ますよね。
そのため、弱者である借主に対して貸主が不利・不当な契約をさせないように保護するために、借地借家法が定められているという側面があるのです。
◆どのようなルールがあるのか?
借地借家法にはどのような定めがあるのでしょうか?すべてをご説明すると膨大な量となりますので、ここでは借主を保護するために定められており、特に大切な部分をご説明したいと思います。
・引き渡しを受けていれば賃借権を主張できる
民法では、借主が賃借権(お金を払って家を借りる権利)を主張する場合、お部屋の引き渡しを受けているだけではなく、賃借権について登記をしないとその権利を主張できないとされています。例えば、お部屋を借りた後にオーナーさんが変わって、立ち退きを請求された際に登記をしていないとその権利を主張できないということです。
お部屋を借りるのに登記をするためには貸主も共同で行わなければならないほか、登記するための費用もかかるなど、まったくもって現実的ではありません。そのため、お部屋の引き渡しを受けていれば、賃借権を主張できるように借地借家法で定めています。
なので、今お部屋を借りている方はほとんど賃借権を登記するなどしたことはないかと思います。
なお、登記については以前も記事にしていますので、興味がありましたら以下リンクよりご参照ください。
・貸主からの解約に正当事由が必要
貸主が借主に対して解約を申し出る際に6カ月前までに申し出をし、さらに正当事由が必要ということを定めているのも借地借家法です。
借主としては急に解約を言われてしまっては困りますし、不当な理由で解約されてしまうことを避けるためにこのようなルールが定められているわけです。
なお、賃貸物件を解約する際の注意点については以前に記事にしていますので、以下リンクよりご参照ください。
・定期借家や更新についても定めている
期間の定めのある賃貸借契約「定期借家契約」について詳しく定めているのも借地借家法の特徴です。
期間の定めのある契約の場合、借主が不利となることを防ぐように、解約通知や、契約時の説明事項について定めています。
定期借家契約についても以前に記事にしていますので、興味のある方は以下リンクよりぜひお読みいただければと思います。
他にも契約の更新や転貸借についても定めているのも借地借家法です。
特に更新については自動更新や法定更新、合意更新などがありますが、中でも法定更新について定めているのが、借地借家法になります。
この法律がなければ、今の賃貸借契約はもっと手続きが多く、借主にとって不利な契約が多くなっていたことでしょう。
◆まとめ
借主を保護するために定められた借地借家法ですが、現在の賃貸借契約ではこの法律に則って作成されています。
全てを知る必要はありませんが、このような法律があることで、現在の賃貸物件が円滑に流通しているということを知っておくのは重要かもしれません。
また、宅地建物取引士試験や賃貸不動産経営管理士試験などでは出題事項となっていますので、受験される方は本格的に勉強してくださいね!
なお、アブレイズコーポレーション東京駅本店では、賃貸に関する法律や資格についても以前に記事にしておりますので、以下のリンクよりご参照ください。
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この記事を書いたライター

アブレイズ編集部
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