2022/11/06
なぜハウスクリーニング代は借主負担なのか?
◆ハウスクリーニング代はなぜ借主負担なのか?
東京の賃貸物件ではハウスクリーニング代が借主負担となっている物件がほとんどです。
いくらきれいに使っていても、退去時にハウスクリーニング代が敷金から相殺されます。また、敷金がない物件では借主の実費で負担する必要があるほか、契約時にハウスクリーニング代を先に預けたりする例もあります。
これは、契約開始日以降、何の家具や家電など家財を物件に搬入せずに退去したとしても必ず費用が発生しますし、極端な例とはなりますが、契約開始日に物件に一度も入ることなく退去したとしても負担しなければならない費用となります。
もちろん、上記の極端な例はほとんどないかとは思いますが、いくらきれいに使っていてもハウスクリーニング代が発生するということは、重要事項説明書や東京ルール(賃貸住宅紛争防止条例)で説明をする事項となっています。
本日はなぜ、ハウスクリーニング代が借主負担なのか、その理由についてお話していこうと思います。
なお、重要事項説明や東京ルールについては以前に記事にしていますので、以下のリンクよりご参照ください。
◆そもそもハウスクリーニングとは?
ハウスクリーニングとは、貸主や管理会社の方針にもよりますが、一般的には引越し時に行われるクリーニングにはキッチンやトイレ、浴室といった水まわりの洗浄消毒のほか、フローリングのワックスがけやエアコンの外部・内部洗浄、バルコニーなどの清掃、害虫駆除などを専門業者にて行うのが一般的です。
次の入居者が住めるように清掃するのが主な理由ですので、ハウスクリーニング代が経年劣化した部分の補修や、借主さんの故意・過失などで破損したりしてしまった箇所の補修、古くなったエアコンの更新など、そのお部屋のバリューアップなどに用いられることはありません。
なお、お部屋の退去時の原状回復工事については以前に記事にしておりますので以下のリンクよりご参照ください。
◆本来は貸主負担
実はこのハウスクリーニングですが、本来は貸主負担となるべきものです。
国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルガイドライン」によると、ハウスクリーニングの費用負担について「賃借人が通常の清掃(具体的には、ゴミの撤去、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去等)を実施している場合は次の入居者確保のためのものであり、賃貸人負担とすることが妥当と考えられる」と定めており、貸主が負担することが妥当とはっきり謳っているのです。
なお、この「原状回復をめぐるトラブルガイドライン」は、その名前のとおりあくまでもガイドラインであり、原状回復をする際の指針とはなりますが これと異なる特約を締結することについては違法ではありません。
そのため、賃貸借契約書にて「ハウスクリーニング代は借主負担」という特約が明記され、重要事項説明や東京ルールで説明をすることで借主負担としているのです。
◆なぜ借主負担となるのか?
ここが本題です。
ハウスクリーニング代はなぜ借主負担となるのか?
正解は上述のとおり、賃貸借契約書にて「ハウスクリーニング代は借主負担」という特約が明記されているからなのですが、なぜ、そのような特約が明記され、借主負担となっているのでしょうか。
本来であれば、ハウスクリーニング代は貸主負担となるので、そのハウスクリーニング代の費用にあたる部分を賃料に加算して賃料を決定するべきですが、賃料を加算したとして、借主さんは長く住んでくれる方もいれば、短期間で解約する方もいらっしゃいます。短期間で解約されてしまうと、ハウスクリーニング代が回収できない事態となってしまいますし、長く長く住んでくれた方はハウスクリーニング代以上に賃料を払うことになるなど、賃貸借契約期間の長短によって不合理が出てしまいます。
また、借主さんもお部屋を定期的に掃除し、退去前にはできる限りの清掃も行い、きれいな状態で明渡しをする人もいれば、逆に定期的な掃除をせず、汚い状態でお部屋を明け渡す人もおり、入居中のお部屋の使用状況も借主さんによっバラバラです。このような使用状況によっても不合理が生まれることから、ハウスクリーニング代を借主負担とする特約が設けられているのです。
◆まとめ
本日はハウスクリーニング代がなぜ借主負担となっているのかについてお話ししました。
前述のとおり、ハウスクリーニング代は本来貸主が負担するのが望ましいものですが、東京の物件では特約で借主負担となっていることが多いです。
何度か賃貸物件のお引越しをしている方は「当たり前」と思っている方も多いでしょうが、初めて引越しする方は「なんでハウスクリーニング代は借主が負担なんだろう?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
特に退去時の原状回復についてはトラブルとなることが多いので、重要事項説明や東京ルールの説明時にしっかりと理解するようにしましょう。
もちろん、アブレイズコーポレーション東京駅本店のスタッフも原状回復について詳細ご説明するように心がけておりますので、もしご不明点があればお気軽にご相談下さいませ。
なお、アブレイズコーポレーション東京駅本店では、賃貸借契約や暮らしに関する記事を定休日を除きアップしておりますので以下のリンクよりご参照ください!
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この記事を書いたライター
アブレイズ編集部
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