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2022/10/15

なぜ東京の鉄道はこんなに便利なのか?


◆鉄道開業150周年!

昨日、2022年10月14日をもって鉄道開業150周年を迎えました。

1872年(明治5年)10月14日、新橋〜横浜(現在の桜木町)の29kmが開業したのが日本における鉄道のルーツです。

当時は新橋〜横浜間を所要時間53分で結んでいたといいますが、現在は新橋〜桜木町間は乗り換え時間を含めて33分で結んでいるので、今の鉄道がどれだけ早くなったのかがよくわかります。それだけ日本の鉄道技術は150年の時を経て発展してきました。

そして、鉄道開業から150周年を迎えた今、鉄道は東京で生活する上でなくてはならない交通手段の一つとなっています。

なぜ東京の鉄道はこんなに便利なのか?

本日は鉄道開業150周年を記念して、東京で生活するには必須となっている鉄道がどのように発展していき、このように便利になっていったのかについて見ていきましょう。


◆東京の鉄道は便利

東京の鉄道は便利なのは通勤や通学、お出かけの際に電車を利用する人がどれだけ多いかがすでに証明していますが、具体的にどのような点が便利なのか見ていきましょう。


路線網の緻密さ

東京23区内では路線網が発達し、市街地のあらゆる場所をカバーしています。もちろん、郊外では自転車やバスで駅までいかなくてはならないエリアもありますが、駅まで歩いて1時間以上かかります・・・なんていうエリアは23区内にはほぼ無いと言っても過言ではないでしょう。

また、東京の中心部に行けば行くほど、徒歩10分圏内で複数の駅が利用できるなんていうことも珍しくはありません。


時間の正確さ

東京では車で移動するとなるとどれぐらいの時間がかかるのかというのをはっきりと測ることはできません。渋滞はもちろんですが、道路網がわかりにくく、非常に運転しにくい街であるからです。

それに比べ、鉄道はほぼ時刻表通りの運転となります。もちろん、遅延や運転見合わせなどのイレギュラーもありますが、通常運転であれば、◯◯駅を何時に出れば、△△駅には何時に到着するというのはある程度の予測が立てられます。


◆なぜ鉄道が便利になったのか?

なぜ、東京の鉄道がこんなにまで便利になったのか?

これは諸説ありますが、様々な歴史の背景があります。


国が鉄道建設優先で進めたこと

江戸時代までの物運や交通は徒歩や水運が主流でした。

馬車という方法もあったのですが、日本では馬車は江戸幕府の規制もあり、あまり用いられてきませんでした。

時代劇を見ても西洋劇のような馬車は登場しませんよね・・・

そのような環境のもと、明治維新以降、急激な近代化を進めていく中で、当時の政府が多くの人やモノを運べる鉄道に着眼し、鉄道の建設を推し進めた点が鉄道発展の理由の一つとして挙げられます。

事実、上述の1872年10月14日の新橋〜横浜間開業以降、1874年には大阪~神戸間、1877年に大阪~京都間、1889年東海道線が全線開通。実に鉄道開業からたった17年間で新橋から神戸までが鉄道で結ばれたのです。


鉄道を中心とした街の発展

その後も東京の鉄道路線は国鉄(現在のJR)を中心に、東都高速度交通営団(今の東京メトロ)や東急、小田急、京急などの私鉄も含め多くの路線を敷設していきました。

東京を中心とした都市圏では、鉄道の駅を中心に街ができ、そして人口が増えていった・・・という経緯があります。

それは東京23区のみならず、東京都の多摩地区、神奈川県、埼玉県、千葉県などの隣接した自治体をも巻き込んで発展していき、「ドーナッツ化現象」という言葉がある通り、東京都心は「働く場所」、郊外を「住む場所」としてどんどんと郊外化していき、鉄道を中心として街は発展していったのです。

その結果、東京都心は空洞化し、衰退していくと懸念された時代もありましたが、最近はまた都心回帰ということで、都心に住む人は「ドーナッツ化現象」以前よりも増えてきているのが現状です。


鉄道路線のさらなる建設

上述のとおり、東京を中心とした鉄道の建設は近隣の他県をも巻き込み、街を発展させていきました。そのため、朝の通勤ラッシュ時は鉄道利用者が集中し、その混雑は過酷なものとなってしまいました。これは今の混雑とは比べ物になるようなものではなく、例えばJRで一番混むと言われている総武線は現在でこそ197%の混雑率ですが、1960年当時は混雑率312%と言われています。

日本民営鉄道協会が出している混雑率の指針では混雑率200%で「体が触れ合い、相当な圧迫感がある。しかし、週刊誌なら何とか読める」状況としていますが、混雑率250%で「電車が揺れるたびに、体が斜めになって身動きできない。手も動かせない」状況としています。と、いうことは混雑率312%って・・・それはまさに阿鼻叫喚な状況だったのかもしれません。

そのような状況の中で、国鉄(現在のJR)は通勤五方面作戦として主要路線である東海道線・横須賀線、東北本線(現在の高崎線・宇都宮線)、中央線、常磐線、総武線の輸送力強化を図りました。

また、私鉄路線も複々線化や新路線の開業など、混雑率を背景に年々その路線網を広げてきており、路線の拡充が図られたほか、各路線での混雑率も東京の平均で108%と効果が出てきています。


鉄道技術の発達

最後に鉄道技術の発達です。

最初の鉄道は蒸気機関車での運転でした。蒸気機関車は石炭を燃料として走るため、都度都度、石炭を補給したりとフレキシブルな運用ができるものではありませんでしたが、その後、電気を動力として走行する電車が生まれ、現在のように地下鉄を建設したり、運行間隔を短くしたりとフレキシブルな運用ができるようになりました。

また、新幹線の開業をきっかけに、鉄道の安全性というものも見直されてきてました。もちろん、JR福知山線脱線事故や信楽高原鐵道列車衝突事故のように多くの死傷者を出した事故もありますが、外国に比べて日本の鉄道は人身事故を除き、事故が少ないと言われています。

そのような鉄道技術の発展によって、より認知され「鉄道が当たり前の乗り物」と認知されていることも鉄道の発展に寄与していると思います。


直通運転など便利さの向上

東京のJR、私鉄、地下鉄路線のそれぞれは多くが他路線に乗り入れて直通運転をしています。

例えば、JR総武。中央線であれば東京メトロ東西線に。東急東横線は東京メトロ副都心線を経て西武池袋線や東武東上線に、京浜急行線であれば都営浅草線を経て京成線になどなど・・・東京の鉄道路線は他の路線に乗り入れて直通運転することで利便性を高めています。

直通運転をすることで、その直通先の路線が人身事故などで運転見合わせとなってしまった際にはその路線も何かしらの影響を受けてしまうなど、弊害も多いですが、やはりそのまま乗って行ける直通運転というのは便利です。

本来であれば乗り換えないと行けないところを、直通してくれるわけですから、それは便利に決まってますよね。


◆まとめ

本日は東京の鉄道の便利さとその理由についてお話してきました。

でも、この今日話した話というのは東京を中心としたエリアなど都市圏のみの話となります。

東京や関西などの都市圏を除くエリアでは実は鉄道は衰退しています。

事実、東京では駅を中心として街が形成されますが、地方では車社会のことが多く、駅よりも車の行き交いの多いエリアが発展する傾向にあります。

点と点(駅と駅)を結ぶ鉄道に対し、面と面を結ぶことのできる車のほうが便利なところもあるのは事実です。

とはいえ、これは悲しいことです。

鉄道を始めとした公共交通機関は運転できないと言った方も気軽に利用できる正に公共交通機関です。

今後も人々の生活を支える存在として鉄道が活躍する機会を期待したいものですし、せっかく鉄道を利用する機会の多い東京であれば、鉄道✕不動産でお部屋探しに役立てていただければと思います!

なお、アブレイズコーポレーション東京駅本店では、不動産に大きく関わってくる鉄道の新線開業や鉄道ネタに関する記事も以前にアップしていますので、以下リンクよりぜひご参照ください。


知っておくと便利かも!駅名が異なるのに乗り換えができる駅


注意しよう!同じ駅名なのに乗り換えが大変な駅


物件がなかなか見つからない場合は乗りかえも考慮してみよう!


各駅停車しか止まらない駅って実際のところどうなの?


通勤しやすい駅~始発駅を狙う


あ、私が鉄ちゃんだからこのような記事をたくさんあげているわけではないですよ?

東京の不動産は鉄道と切っても切れない関係性だからこそ日々、頑張って鉄道ネタをアップしているのです・・・


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