2023/05/26
賃貸における電子契約の普及状況は?~その後どうなった?
◆2022年5月賃貸借契約の電子契約が解禁
2021年に宅地建物取引業法(通称:宅建業法)が改正され、2022年5月より賃貸借契約の電子契約が解禁されました。
今までの賃貸業界と言えば、契約はすべて紙ベースで記入・捺印が必要、業界全体としてもいまだFAXが多用されるなど、電子化の遅れた業界でもあります。
あれから1年。
賃貸借契約における電子契約はどの程度、普及したのでしょうか?
ちょうど2022年3月に「賃貸不動産の電子契約は普及するのか?」という記事を書いておりましたが、その後の進捗状況はどのような感じなのか、本日はお話していきたいと思います。
◆電子契約はメリットが多い
電子契約の普及の前提として、電子契約がもたらす多くのメリットがあります。
・契約のためにいちいち不動産会社に行かなくてもよい
・契約書類への署名・記入・捺印の手間が省ける
・郵送でのやり取りが不要となる
・紙への印刷費用や送料といったコストを抑えられる
上記の主なメリットから、借主となるお客様にだけではなく、実際に契約をしたり契約書を作成する私たちのような仲介業者や賃貸管理会社にとってもコストと無駄な時間が削減でき、どの立場であってもメリットがあります。
特に遠隔に済んでいる方や、海外に住んでいる方などは移動や郵送でのやり取りがないことはとても大きなメリットとなりますし、契約書類の郵送が必要ないということになると、その分の時間を削減をできるので、入居を急いでいる方にも大きなメリットとなります。
実際にお客様の中にも電子契約を望んでいる方は多くいらっしゃるかと思います。
◆徐々に増えてきているが、実感としてはまだまだ
次に、実際に賃貸物件をお客様にご紹介している身として、電子契約がどのように普及しているかについて話したいと思います。
本音で話せば、電子契約を扱っている管理会社さんの数は増えてきてはいますが、まだまだ紙ベースの契約が対多数を占めており、実感としてはまだまだ普及していないというとことです。
大手賃貸管理会社も電子契約が可能な会社と、まだ紙ベースでの契約を主流としている会社に別れていますし、1年前に比べれば電子契約を目にする機会は確かに増えてきましたが、その普及の速度は緩やかであると言わざるを得ないなかというのが本心です。
◆電子契約の課題
これからますます電子契約が普及していくためにどのようなシステムが良いのか。
実際に電子契約をしたことがある身としては、以下の事項を大きく感じました。
スマートフォンでの見やすさ
電子契約をする際、ほとんどのお客様はお手元のスマートフォンで操作をするケースがほとんどです。
重要事項説明書や賃貸借契約書と言った書類は非常に細かい字で書かれているケースが多く、実際に紙媒体の契約書類で契約する際も見にくいというものが非常に多いです。
それが、さらにコンパクトな画面であるスマートフォンで捜査していくのですから、スマートフォンでも見やすく、そしてわかりやすくする必要があるでしょう。
わかりやすさ
電子契約と言ってもひとつのシステムで行うわけではなく、各IT会社がそれぞれの契約システムを作成しています。
そのため、電子契約のたびにシステムが異なります。
また、システムによってはそれを毎回扱う不動産会社のスタッフとしても非常にわかりずらいケースもあります。
実際に普及させていくためには、お客様に対しても当然ですが、実際にやり取りをする不動産会社のスタッフにとってもわかりやすいシステムであることが必要です。
電子機器に慣れていない方への配慮
これは昨年に「賃貸不動産の電子契約は普及するのか?」という記事を書いた際にも指摘させていただきましたが、必ずしもすべての方が、パソコンやスマートフォンに慣れている方とは限らないということです。
また、パソコンもスマートフォンも持っていないという方も入らっしゃるでしょう。
そのような場合の対応策というのも少なからず考えておかねばなりません。
◆まとめ
本日は電子契約の普及がどのような状況なのかについてお話ししました。
お客様にとって契約の際に不動産会社に行くこと、また、多くの書類に署名や記入、捺印をするということが非常に煩わしいと感じている方も多くいらっしゃいます。
また、私たち不動産会社も契約書類の郵送などに多くの手間とコストがかかっています。
そのため、電子契約は普及すべきだと思っているのですが、借主であるお客様にとっても賃貸管理会社にとっても、私たち不動産会社のスタッフにとってもユーザーフレンドリーなものであってほしいと思います。
なお、アブレイズコーポレーション東京駅本店では、重要事項説明や賃貸借契約についても以前に記事にしておりますので、以下のリンクよりご参照ください。
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この記事を書いたライター
アブレイズ編集部
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